私は本を読むのがとても好きです。
なので、忙しい時は本棚に近づかないようにしています。。。汗
仕事そっちのけで没頭してしまうので。。。汗
様々なジャンルの本を読みますが、今日はその中からオススメの一冊をご紹介したいと思います。
直接的なヨガの書籍ではないですが、ヨガに通ずることも多く、人生をより良く生きるためのヒントが書かれています。
「風姿花伝」世阿弥
日本の伝統芸能である能の大成者「世阿弥(ぜあみ)」によって書かれた「風姿花伝」は、
能の奥義と、その伝統芸能を子孫へ受け継ぐために残した素晴らしい書です。
世阿弥は室町時代に生きた方ですが、ヨガと同じように、時代を超えて受け継がれていくべきとても大切な知恵がまとめられています。
世阿弥といえば「初心忘るべからず」という言葉が有名ですが、その言葉はこの「風姿花伝」に書かれています。
少し親しみが湧いたでしょうか?
「風姿花伝」はたくさん解説本も出ていますので、読みやすいものから手に取ってみてくださいね◎
この風姿花伝は全ての内容が素晴らしいので是非全部読んで欲しいのですが、
その中から今日は「離見の見(りけんのけん)」について触れたいと思います。
能を演じる時に、世阿弥が提唱した大切な視点は3つあります。
1)我見(自分が主体となる視点)
2)離見(相手から自分を見る視点)
3)離見の見(もっと引いて全体から見る視点)
特にこの「離見の見」という視点を持てるかどうかが、とても大切だと書かれています。
拙い絵ですが書いてみました!汗
「離見の見」とは、全体の関係性の中で、自分の立ち位置や行動を客観視するマクロな視点です。
出るタイミング、引くタイミング。
自分がやるべきこと、相手にお願いすべきこと。
全ては自分のタイミングで動くのではなく、全体の流れの中で決まってくる。
いつでも全体から自分を見る冷静かつ客観的な視点を持つ。イメージが伝わりますか?
これは能の世界だけでなく、日常生活でも本当に大切な視点だと思います。
人生がうまくいかないと感じる方の多くは、この「離見の見」という視点が欠けていることが原因であることも多いです。
すぐいっぱいいっぱいのパニックになってしまう人、
いつも相手のペースに疲れてしまう人、
周りが見えず自分勝手に振舞ってしまう人、
どうしたら良いかいつも迷ってしまう人、
etc…
「我見」または「離見」に偏りすぎていると、全体として不自然な言動をとってしまう場合もあります。
もっと大きな客観的視点「離見の見」があれば、
自分がどうしたいとか、
相手がどうして欲しいとか、
そういったミクロな視点では解決できない問題も、
全体として調和の取れる解決策を探すことができるはずです。
一見難しいように感じるこの「離見の見」も、練習を積めば必ず得られるようになります。
その練習として、ヨガでも大切にしている「内観」の練習をオススメします。
内観とは、自分自身をありのままに観察すること。
体、心、感情、思考など自分に起きていることを、判断をつけずにただ見ること。
自分に対して冷静で客観的な視点を持てるようになると、いつでも一歩引いて自分の立ち位置を判断できるようになります。
その中で自分がやるべきことが自然と浮かび上がってくる。
その行動が、全体の流れに乗った時、大きな成果につながる。
この「風姿花伝」を読むと、能という伝統芸能を通して、自分自身の人生をどう成功させていくことができるかを考えさせられます。
人として成功すること、魅力的な人であることは、見た目や名声どうこうではなく、やっぱりその人の「生き方」なんだなと強く感じました。
冷静で客観的な視点は、私たちに新しい景色=人生を見させてくれるはずです◎
kayo
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