技術にとらわれず、本質を見る。

今回のブログのテーマは、ヨガを指導する立場にいる私とっては最重要テーマです。

 

私はヨガ指導者ではありますが、クラスに参加してくださっているみなさんに「ヨガを教えている」つもりは全くありません。
不思議に聞こえるかもしれないけれど、私にとっては、これが真実です。

 

ヨガは、誰かから知識をもらったりするものではなく、
自分自身の実践の繰り返しの中で、感じて、コントールして、調整して、チャレンジして、自分の中に「気付き」を重ねていくものだと私は思っています。

 

だから、インストラクターはクラスのリードはできるけれど、皆さんの「気付き」のきっかけ作りはできるけれど、「気付き」は生徒さん達自身の中でしか生まれません。
生徒さん達の中で起きる「気付き」までをも、私たちヨガ指導者は操作することはできないのです。

 

要するに、「気付き」こそがヨガを練習する「本質」であり、ポーズや呼吸法はあくまで「技術」です。
「本質」さえ見失わなければ、そこにたどり着くまでの「技術」には無限大の方法があります。
だからこそ、こんなにもヨガは多様性に満ちていて、どのジャンルや流派も「ヨガ」なのです。

 

岩手県盛岡市ヨガジャーニー田村佳世写真

現代のヨガの多様性に混乱する方も多いし、どのヨガが正しいのか?正しくないのか?
というジャッジの世界に迷い込む方も多いですが、わかりやすくするために、私はよく登山に例えます。

 

1つのピーク(ヨガの本質)に向かうための登山道(ヨガの道)がたくさんあるだけのこと。
険しい道もあればなだらかな道もある。
それぞれの道によって必要な体力・精神力・道具、ピークまでにかかる時間が異なるだけ。
だから、どの道が正しくてどの道が正しくないなんて、比べること自体がそもそもナンセンスなんだよ、と。
自分の直感で「この道を進む!」と決めたら、ただ前を向いて、一歩一歩信じながら進んでいく。
それ以上でもそれ以下でもありません。

 

インドでのヨガの実践の日々を振り返ると、そんな多様性をとても大切にしてくれていたんだな、と感じます。
インドでのヨガは、良い意味で細かいことは本人に委ねられます。

 

もちろん、怪我をしないための最低限の体の使い方、呼吸の仕方は指導を受けます。
でも、あくまで必要最小限の共通認識であって、細部の細かいところは、本人独自の感覚を大切にしてくれているのだと、私は感じました。
その時から私は、「教えてもらう」という受け身の姿勢から、「自分で体得していく」という主体的な姿勢に変わりました。

 

だから私は、クラスの中で生徒自身にしっかり感じ取ってもらうことを最も大切にしています。
なぜならこれこそが本質だからです。
もちろんアドバイスはするけれど、引用する技術は自分で選択してほしいのです。

 

私の経験からいうと、ポーズや呼吸法諸々、先生から1から10まで事細かく知識をもらわなくても、ある程度のことは自分の体が教えてくれます。
「もっとこうした方が全体のバランスが整うな」
「関節の向きがこっちの方が安定するな」
「ここに意識を向けるとエネルギーが流れる気がする」
「このポイントの力を抜くとエネルギーが逃げてしまうな」
こんな感じです。

これは私が何か霊的なものを持っているわけではなく、誰でも皆「自分を観察し感じる」トレーニングを続ければ、自然と身につきます。

 

肉体に関して言えば、誰一人として同じ肉体を持っている人は存在しません。それこそ、多様性なのです。
私の実践から得た技術が、世界中全員に通用するなんて思っていません。そんなの不可能です。

 

だからこそ、自分の体と心のコントロールを、自分で体得していくための「主体的な精神」を、私のクラスで得て欲しいと思っています。
ヨガの練習を通して、いつでも自分の人生の主役となり、自分の力で課題を解決していく強さとしなやかさを養って欲しいのです。

 

岩手県盛岡市ヨガジャーニー田村佳世写真

私がクラスでしていることは、みなさんの後ろから大きな声援を送る応援団長の役目です!!
「もっといけるよ!自分を信じて!」
「そこはちょっと危ない!しっかり自分の声を聞いて!」
「そろそろ休もうか◎」
「素晴らしかったよ!!」

そうです。
私がみなさんにしてあげられることなんて、せいぜいこのくらいしかありません。
クラスの回数が増えれば増えるほど、私なんて何もしていない、すべて生徒さん自身の力だと本当に痛感します。

 

「先生に教えてもらっている」ではなく、「自分で体得した!」という感覚をみなさんに感じて欲しい。
その成功体験こそ、「自信=自分を信じる」ことの礎となります。

 

マットの上で「自分なりの答えを見つける」という練習を何度も行います。
それこそが、マットの外の人生に役立つのです。
いくらポーズや呼吸法が上手でも、それが人生の役に立たなければ、なんの意味もありません(断言!)

 

ヨガのために生きているのではなく、生きるためにヨガをしている。

この本質を忘れて、目先の技術ばかりに気をとられていると、ヨガをすればするほど社会生活が困難になったり、ヨガが現実逃避になってしまったりします。
あるいは、難しいポーズができる優越感とか、ポーズができないだけで自分を卑下したり。。。
これはとても悲しいことです。

 

ヨガ的にスピリチュアルな人とは、ヨガの智慧を使って、現実世界を幸せに生きている人のことです。
決してヨガの物知り博士やパフォーマーのことではありません。

 

「今ここ」の現実世界を生きること。
「今ここ」の現実世界から逃げないこと。
ヨガって本当に素晴らしいなぁ。。。といつも感動します。

 

ついつい長くなってしまいました!汗
私は、ヨガの力が皆さんそれぞれの中にすでに備わっていることを信じています。
私が力を与えるのではありません。
みなさん自身のヨガの力を引き出すお手伝いができればと思っています◎

 

みなさんの気付きに少しでも貢献できるよう、今日もクラスの応援団長として頑張ります★

 

 

kayo

 










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